開発者が語る、データ蓄積型・リサーチ機能「Readers Research」機能と設計の苦労

こんにちは。ぴあ株式会社 デジタルメディア・サービス事業局でPIA DMPの設計、商品開発をしている市川です。

7/1に、記事コンテンツやキャンペンページに訪れたユーザーに、直接さまざまなタイプの選択肢で質問し、そのデータをデータ蓄積・分析できる質問形リサーチコンポーネント「Readers Research」の一般リリースを開始しました。

現在、メディアの編集記事や記事広告向けに記事をリッチ化するコンポーネント(パーツ)として提供し、一部の記事広告プランでは無料で提供しております。

今回、商品開発・設計者の観点から、機能の説明・特徴とともに、開発でわかったこと、データソリューション観点などから解説します。

広告関係の方はもちろん、日々、商品開発やマーケティングに携わっている方に、開発のストーリーがシェアできればと思います。

ユーザーやファンの”気持ち”が知りたい

機能と特徴

 

特徴1. PIA DMPとの連携
レジャー、エンタメなどの約1700万会員、1.1億UU以上のデータと、アンケート結果が連携
2. 多彩なフォーマット
テキスト、写真、動画、オーディオの選択肢が作成可能。複数の設問、自由記述なども設置できる
3. ユーザビリティ
ページ遷移なしのスムーズな設問切り替え、モバイル・レスポンシブ対応、カスタム可能なデザイン
4. 高いエンゲージメント
500以上の設置実験の結果、全体と比較して滞在時間最大7.8倍、回遊率+14.4ポイント向上の効果

PIA DMPと連携しようと思ったのは、Readers Researchでの回答結果を活用して、ユーザーやファンの気持ちが知りたいというところから始まります。

PIA DMPは、会員データ購買データリアル行動データメディア嗜好性データパートナーデータと豊富なデータを使って、データを設計・分類・蓄積・統合することで、プロモーションやマーケティングに活用しています。

簡単にいうと、さまざまな「好き」というファン心理によって成り立つデータプラットフォームです。

「Readers Research」が追加されることで、データ収集の「アンケート」部分を強化し、ファン(読者、ユーザー)心理をより知る試みをしました。

今回のリリースでは、記事を読み終わった読者に問いかける形で設置することにフォーカスしました。それは、どのような文脈(記事の流れ)で読者に選択肢を問いかけるか、その結果どのようなコメント(選択の理由)が寄せられるかの流れを一定にして、”気持ち”を読み違えないようにするためです。

スムーズに、楽しんで答えてもらう

Readers Reseachを設計するにあたって気を配ったのが、ユーザー(読者)にいかに楽しんで、さらっと答えてもらうかという点です。その観点で気を配ったのが、多彩なフォーマットであり、ユーザビリティへの配慮です。

リンク先では、各フォーマットごとの動作サンプルがあります。

画像、動画、音声といったリッチ表現を採用しているのは、Readers Researchは「選択肢の1つ1つも、コンテンツ」であり、より楽しく答えて欲しいと考えているからです。

実際、記事広告向けReaders Researchでは、選択肢の1つ1つも弊社のクリエティブ担当と作っていきます。

コメントを書く時間を除けば、どれも数秒で終われます。この即時性・即完性によって、回答の精度を上げ、広告利用例として上げている「製品の選択理由」「興味・需要喚起」「認知・イメージ」といった使い方にもいい効果をもたらす設計をしています。

また、デザインはモバイルでの利用を想定し、ロードのないページ遷移、スムーズなトランジションといったUI/UXを採用しました。

日本人にとって、コメントしやすい形?

「ウレぴあ総研」では、外部パートナーを通じて、記事のコメントシステムを何度か導入していました。

ただ残念ながら、なかなかディスカッションに発展されず、あまり有用なコメントが付きづらいのが現状でした。

これは我々のサイトに限らず、例えばYouTubeの企業アカウントを見ていても、グローバルではコメントはオン、日本ではコメントをオフといった運用を目の当たりするので、共通の課題のようです。

一方、Readers Researchは、コメントのみと比較して、非常に建設的で有用なコメントが多数いただける場合が多く、3年以上にわたり500を超える事例でも変わりませんでした。コメントは外にはでないにもかかわらずです。また、コメントは運営者しか見られませんので、炎上というリスクはほぼありません。

選択肢で課題と立場を整理する

我々が行き着いた、有用なコメントを得られるベストプラクティスは、

ユーザーに納得感のある選択肢を提供する→その選択をした理由を答えてもらう

というシンプルな形でした。日本人に不得意な人が多い自由な議論ではなく、まず自分の立場を表明してもらって、その立場を選んだ理由を答えてもらうというものです。

選択肢は自分自身の立場ですから、選択肢がポジティブであればより好意的、ネガティブであっても、どこか困っていて、どうしたいかという建設的なコメントに集約される傾向にありました。

集計・分析する際も、選択肢でユーザーをグループ化できるので、”気持ち”を知るのにわかりやすくなります。

読者の選択で”気持ち”を知り、”理由”とともに理解する

記事コンテンツやキャンペンページに訪れたユーザーに対して、直接さまざまなタイプの選択肢で質問し、そのデータをデータ蓄積・分析できる質問形リサーチコンポーネント「Readers Research」。

記事広告だけではなく、日々の編集記事にも活用しています。

7/1に、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが4ヶ月ぶりに再開したニュースでは、「ウレぴあ総研 ディズニー特集」にて活用し、5日間で 1,500以上の回答を獲得。

そのアンケート結果を集計し、ディズニー担当ディレクターがコメントを厳選し、再記事化し反響を得ました。驚くことに、約40%近いユーザーが熱いコメントを寄せてくれています。こちらについては、別の機会に皆様に事例としてご紹介する予定です。

さまざまな「好き」のファン心理、気持ちを知るために作られた「Readers Research」。製品の仕様も、その心理を引き出せるよう商品設計を行っていますので、興味のある方は、製品ページの資料請求からダウンロードしてご覧ください。