【年間約300時間削減】利益向上のために導入したアドテクソリューション

こんにちは。ぴあデジタルメディアサービス事業局で主に自社メディア・サービス広告周りを担当している廣瀬です。

前回は広告単価の向上に重要な運用業務について紹介しました。

今回は、前回紹介した「広告単価の向上に重要な運用業務」にかかる運用コスト、運用コスト削減方法、導入成果について、施策の中の一例としてご紹介したいと思います。

運用コストについて

①接続する広告事業社の複数導入

【作業コスト】

新しい広告事業者を探すところから、配信開始までの対応工数

広告配信の仕組みがオークション形式であるため、広告配信しようとする広告事業者が増えれば、競争が生まれ広告単価が向上する反面、以下のような追加タスクが発生します。

  • 未接続の広告事業社との打ち合わせ
  • 新規契約確認、および捺印処理
  • サイトの枠情報や在庫数字の情報整理と共有
  • 広告配信タグのアドサーバへの設置とテスト

【作業工数】

新規接続あたり20時間

新規で接続する広告事業社の数が増えれば、それだけ対応工数は膨らんでいきます。また、接続した後のコミュニケーションも発生するため、運用工数としても膨らんでいきます。

 

②最低落札価格の調整

【作業コスト】

広告枠の最低落札価格の設定
広告枠の価値を一定担保しながら、収益の最大化をさせるための大切な運用業務ですが、広告枠の数だけ対応工数も増えていきます。
また、アドサーバの仕様上、接続している広告事業社ごとにも最低落札価格の設定が必要なので、広告枠と広告事業社に比例して、運用する設定項目が増えます。

【作業工数】

1ヵ月あたり20時間
これらの対応工数を削減することで、広告商品設計や媒体運営に工数を割くことができます。
いかに運用工数を減らせるか、という観点でアドテクノロジーを活用したソリューションが役に立ちました。

 

運用コスト削減方法

①ヘッダービディング

ヘッダービディングとはアドサーバで広告の配信案件を決定する前に、他社のアドサーバで配信案件のオークションを実施し、その結果をアドサーバに戻すことで、より多くの配信案件候補を取得でき、より高単価な配信案件を広告配信できる仕組み

【導入理由】

広告事業社の追加、導入業務をヘッダービディング提供会社に委託可能
広告事業社追加後の最低落札価格の運用が不要

広告収益を上げるためには広告単価を上げることが必要で、より多くの配信案件をアドサーバに接続して競争をさせることが必要です。

ヘッダービディングは、多くの配信案件候補を自動的に取得できるため、広告運用者が営業して配信案件を取ってくる必要がなくなります。

また、リアルタイムに入札価格を取得可能の為、手動での最低落札価格の運用が不要です。

【導入成果】

ヘッダービディングの導入で、広告事業社を1社新規契約して配信開始するまでの期間が、3ヶ月から1ヶ月と1/3に短縮できました。

また、実作業はヘッダービディングの技術会社に委託することで、対応工数は実質ゼロになりました。

 

②メディエーション

メディエーションとは広告配信案件を収益性の高い順に自動取得する仕組み

【導入理由】

広告事業社毎の手動での価格設定運用が不要

ヘッダービディング対応不可で、リアルタイムの入札価格が取得できない広告事業社の場合は、手動での価格設定運用が必要です。

メディエーションは、複数の広告事業社のパフォーマンスを考慮して単価が高い広告の配信を自動的に実施可能となり、広告枠 x 広告事業社の数だけ仮の価格設定を見直す必要がなくなります。

【導入成果】

メディエーションの導入により、1ヶ月約20時間かかっていた対応工数が、わずか30分となり97.5%の工数削減となりました。

 

今回は、広告単価を上げるためのネットワーク広告の運用施策のコスト部分に注目し、コスト削減のためのアドテクソリューションの活用事例を紹介しました。

ネットワーク広告利益を上げるためには、売上を上げることも重要ですが、常に最新のテクノロジーを活用してコストを削減することも必要不可欠です。

次回は、売上を上げるために導入しているアドテクノロジーに関して紹介します。