ぴあのウェブ広告担当が自社サイトの広告単価向上で実施する、たった2つの基本施策(でも大事)

こんにちは。ぴあデジタルメディアサービス事業局で主に自社メディア・サービス広告周りを担当している、廣瀬です。

ぴあ社で実施しているネットワーク広告の運用業務について、紹介。今回は、まずは広告配信までの仕組みを説明した上で、広告単価の向上に重要な運用業務2点を紹介します。

ウェブ広告担当の役割

私のミッションは、ネットワーク広告での収益最大化です。また、ネットワーク広告の収益は “PV” と “PVあたり広告単価” の掛け算です。

”PV”はメディア編集者が責任を持ち、 “PVあたり広告単価”はウェブ広告担当者が責任を持ちます。つまり、広告単価を上げることが私の使命です。

広告単価を上げるための手段の1つとして、ネットワーク広告の運用を行っているわけですが、具体的な説明をする前に、ネットワーク広告をどのように媒体に配信しているかを簡単に説明します。

アドサーバを活用した広告入札の仕組み

ウェブメディア「ウレぴあ総研」「ぴあ映画生活」を運営しており、ネットワーク広告の運用も実施しています。ネットワーク広告の配信には、Google Ad Managerというアドサーバを活用しています。

Google Ad Managerを活用した広告配信では、広告枠毎にオークション形式で配信する広告が決定されます。ある広告枠への配信について、複数の広告事業社が入札を行い、一番高い価格の広告事業社の持つ広告案件が配信される仕組みです。

広告事業社は配信した広告の効果を考慮して、入札価格を調整したり、入札を開始・停止の判断をしています。効果の指標としては、「ビューアビリティ(視認性)」「CTR(Click Through Rate)」などを見られることが多いです。

  • ビューアビリティ:広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッション(ビューアブルインプレッション)の比率
  • CTR:広告のクリック数を表示回数で割った値

広告単価を向上させるための施策紹介

前述した通り、オークションで落札された金額が広告単価となります。広告単価を向上させるための施策として主に2点推進していますので、実施している施策について紹介をさせていただきます。

1接続する広告事業社を複数導入する

広告配信はオークション形式のため、オークションに参加する広告事業社が多いほど、落札価格は高くなる傾向にあります。落札価格を上げるための具体的な業務としては、広告事業社の方と対面し、接続するための契約確認や広告枠情報の共有および広告タグの作成依頼、アドサーバへの広告タグの設置を行います。

一方で、相対する事業社の数が増えれば増えるほど、コミュニケーションコストが大きくなってしまいます。そういった場合には、複数のネットワーク広告事業社を束ねる仕組みを持っている広告事業社との接続も合わせて検討します。直接相対する事業社の数を減らすことで、負荷を軽減でき、引いては利益率の向上にもつながります。

2 最低落札価格を調整する

アドサーバの機能として、広告枠毎に最低落札価格を設定できる機能があります。媒体社として広告案件の品質を一定担保しつつ、落札価格も向上させることができます。

最低落札価格を調整する具体的な業務としては、広告枠毎に最低落札価格を調整しながら広告在庫への入札状況を広告枠毎に確認し、結果の収益状況によって、広告枠毎に最低落札価格の再調整をかけます。それを2週間毎に継続して調整していきます。

こちらも同様に、広告枠の数が多ければ多いほど、運用コストが大きくかかります。そのような場合、アドサーバ自体の選定、アドサーバ内で設定している広告枠の設計の見直しも検討します。

アドサーバに、最低落札価格設定のABテスト機能がある場合は、その機能を活用したり、広告枠を増やすだけでなく、まとめたり削減することでも、運用コストの削減になります。

今回は、広告単価を上げるための手段の1つである、ネットワーク広告の運用施策に、紹介しました。ぴあ株式会社では、アドテクノロジーを活用した広告運用にも力を入れて、媒体の価値向上を目指して日々業務をしています。

次回の記事では、広告単価を上げるための別の手段の1つとして、導入しているアドテクノロジーに関して紹介します。