【設計者が解説】新しいもの好き「アーリーアダプター」セグメントの活用方法

こんにちは。ぴあデジタルメディアサービス事業局で主に商品開発やユーザー分析などを担当している浅野です。

現部署に配属される前は、ぴあ総研の研究員としてライブ・エンタテインメント市場の動向把握、
チケットぴあユーザーの分析などに携わっていました。

今回は、私が開発を担当した「アーリーアダプター」セグメントの設計にまつわる話や、活用方法を紹介します。

新セグメント「推し活 女子」の活用方法はこちら

開発のきっかけは「ヒット予測研究」

「アーリーアダプター」セグメントの開発のベースになっているのは、チケットぴあユーザーの音楽ジャンルの購買データやぴあ独自のアーティストパワーを測る指標、最新音楽チャート等を掛け合わせてヒットの兆候検知を試みた経験です。

色々と試す中で、ユーザーの嗜好(どのようなアーティストに関心があるか)には、楽曲の系統以外に、アーティストがライブを行う会場の規模や、チャート情報等も関連していることを発見しました。

そして、「新しいもの好き」ユーザーを特定し、定点観測をすれば、ネクストブレイクアーティストを検知できるのはと考えるようになりました。

「新しいもの好き」ユーザー像を具体化するために参考にしたのがイノベーター理論です。

 

サービス・商品の浸透の鍵を握る「アーリーアダプター」

新しい商品やサービスがどのように普及するかを分析し、「新しいもの」への感度・態度で消費者を5つに分類したイノベーター理論。

1962年にアメリカ・スタンフォード大学の社会学者、エベレット・M・ロジャースが提唱した理論で、
商品購入の態度を新商品購入の早い順に五つに分類したものです。

この理論では、新しいものを早期に受け入れやすい人たち(「アーリーアダプター」)がサービス・商品の浸透の鍵を握っているとされています。

「アーリーアダプター」は、新しいものへの関心が高く、自ら能動的に発見しようとする高感度のアンテナを持っているため、このユーザー層が発見・拡散していくことで、露出量が増え一般認知拡大につながるという流れです。

ここで、イノベーター理論を簡単にご紹介します。

イノベーター理論における5つのグループ

イノベーター(2.5%)新しい商品やサービスなどを最も早い段階で受け入れ受容する層。
アーリーアダプター(13.5%)流行に敏感。新しい商品やサービスなどを早期に受け入れ、他の消費者に大きな影響を与える。オピニオンリーダーやインフルエンサーになりやすい。
アーリーマジョリティ(34.0%)新しいものへの関心は高く平均よりは早く取り入れる。
レイトマジョリティ(34.0%)慎重派で、周囲の使用状況を見て、一般的に流行してから取り入れる。
ラガード(16.0%)世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化してからそれを採用することが多い。中には不採用を貫く者もいる。

フットワークも軽く、消費意欲も高いユーザー

「アーリーアダプター」セグメントは、イノベーター理論も参考にしながら、
音楽ストリーミングサービスや音楽専門家などが選出したネクストブレイクアーティスト、話題急上昇中のアーティスト等の情報と、会員データや購買データ・購買プロセスデータ等、多岐に渡るデータを掛け合わせて開発しています。

チケット購買、会員のデータを使用しているため、単なる「新しいもの好き」でないことにも独自性があります。

無料でもコンテンツを楽しめるのに、関心を持った対象の有料ライブにわざわざ参加したり、参加意欲があるユーザーなので、フットワークの軽さと消費意欲の高さが特徴と言えます。

 

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