【開発者が解説】「シティポップ・カルチャー」 セグメントの活用ポイント
こんにちは。ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社で主に商品開発やユーザー分析を担当している浅野です。
2025.10-12月「PIA Segments」にて、新しく「シティポップ・カルチャー」 セグメントをリリースしました。
「シティポップ・カルチャー」セグメントは、1970年代後半~80年代のシティポップの代表的なアーティストのチケットを購入している、または購入意欲の高いオーディエンスをセグメント化したものです。
音楽に限定されずファッション・デザイン・ライフスタイルと密接に関わりを持つシティポップ。シティポップが持つビジュアルイメージや、「時代を超えて愛される普遍性」と「現代にフィットする新鮮さ」のバランスを活かすことで、様々な業界でご活用いただけるセグメントです。
今回、私が開発を担当した「シティポップ・カルチャー」セグメントの設計、活用ポイントについて紹介します。
80年代の心象風景
都市生活のBGMとして当時の暮らしと蜜月関係にあったシティポップ。休日に海に向かう車中で流れていたサウンド。
歌詞やジャケットのアートワークには、夏、リゾート、ドライブ、お酒、夜の街、ネオンなどが描かれていました。
都会的な余裕と解放感を象徴するシティポップは、輸入ブランドや洋楽、舶来文化に憧れる価値観とも結びつき、「洗練された大人の理想的なライフスタイル」を 映し出していました。
この音楽を主に支えていたのは、1980年代に若者文化を牽引し、個性や趣味を重視する新しい価値観を提示した世代である「新人類世代」でした。
シティポップは「大人の余裕」と「都市的な憧れ」を象徴するサウンドだったようです。
リバイバルブーム
近年はYouTubeやサブスク等をきっかけにシティポップの再評価が進み、世界中で聴かれるようになりました。レコードの再販や復刻も行われ、当時の音源やアートワークが新たなファン層に届いています。
再評価の背景には、いくつかの要因があります。
まず、シティポップはジャズやソウル、R&B、ディスコ、フュージョンの影響を受けた洗練されたコード進行やアレンジを備え、現代に聴いても古びない普遍性を持っています。
また、永井博や鈴木英人のイラストに代表される鮮やかなアートワークと結びつき、「音楽+ビジュアル」で都市的なライフスタイルを象徴するカルチャーとして受け止められている点も重要です。
さらに、シティポップが描いた情景は、海外のリスナーにとっては「エキゾチックでモダンな日本の都市文化」として、国内のリスナーにとっては「懐かしくも新しいライフスタイルの記憶」として響き、音楽を超えたカルチャー全体のリバイバルへと広がっています。
シティポップのコラボ事例
シティポップの世界観は音楽だけでなく、ファッションやデザイン、ライフスタイル全般と親和性が高く、近年さまざまなコラボレーションが行われています。いくつか代表的な事例をご紹介します。
【ファッション・アパレル】
ユニクロやマンハッタンポーテージの永井博コラボ商品など
【高級オーディオ】
バング & オルフセンと永井博コラボ商品など
【自動車メーカー】
ダイハツムーブは、80年代シティポップをイメージした映像と音楽を活用したキャンペーンを展開
【IP・キャラクター】
シティポップなすみっコPOP-UP SHOP、『CITY HUNTER -RETRO POP DAYS-』など
「シティポップ」セグメントの活用例
シティポップはノスタルジア×洗練性×都市的ライフスタイルを組み合わせたユニークなブランディング手法として、幅広い業界での活用可能性を秘めています。
【ファッション・アパレル業界】
- 80年代シティポップ風グラフィックTシャツ、限定コレクション、人気イラストレーターとのコラボ商品
- ネオンカラーやパステルカラーを活用したアイテム
- 復刻版
- DCブランド
【飲料・食品業界】
- 復刻版商品
- 「都会の夜」「リゾート」をテーマにしたお店やキャンペーン
- デザインをシティポップと連動させた商品
【コスメ】
- 復刻版、歴史ある商品のリニューアルやリブランディング
【自動車業界】
- シティポップをイメージした映像・音楽を活用したキャンペーン
【観光・地域プロモーション】
- 都市観光やリゾート観光、クルーズ旅行
【エンタメ・コンテンツ業界】
- 人気キャラクターやアニメ作品のシティポップ調描き下ろしプロジェクト
- レコード復刻、リイシュー盤の販売促進
【テクノロジー・オーディオ業界】
- アナログレコードプレーヤー、カセットデッキの復刻版
- ヴィンテージ風デザインのヘッドフォン、スピーカー
【不動産・住宅業界】
- リゾートマンション、別荘
「PIA Segments」にはこの他にも、多岐に渡るセグメントを用意しており、各種カスタマイズが可能です。詳しくは資料をダウンロードいただき、ご覧ください。

浅野 裕子
ぴあに入社してから、チケット情報の登録や提携コンビニの渉外担当、ぴあポイントサービスの立ち上げ、ぴあプレミアム会員のエンゲージメント向上の各種企画の実施、ぴあ総研での市場・ユーザー調査等、幅広い業務を経験。現在は、セグメント開発や、ユーザー分析、レポートや広告メニューの開発、マーケットリサーチ等に取り組んでいる。音楽フェス、来日ライブに頻繁に参戦していたが、徐々に追いかける対象がアートに変化。全国各地のアートフェスを楽しみにしている。